
- はじめに
- タイ国鉄(SRT)の切符の買い方
- VPNサービスが必要なことがある【PR】
- タイ国鉄の指定席の切符は180日または60日前から購入できる
- タイ国鉄(SRT)チケットの払い戻しや乗変は手数料がかかる
- タイ国鉄(SRT)南本線45列車について
- 実際に乗車してみて
- パダン・ブサール駅(マレーシア)での出入国審査
- タイ国鉄のWebページはこちら
- まとめ
はじめに
日本では、気軽に乗ることのできなくなった客車寝台夜行列車。
タイであれば、それなりの本数が現役で走っており乗車することができる。
本記事では、チケットの買い方・注意点・車内の様子・遅延状況まで実体験ベースで詳しく紹介する。
過去、筆者は日本ではすべて廃止済みの列車とはなるが、北斗星、あけぼの、まりも(キハ183に挟まれた寝台車)にそれぞれ1回ずつ、乗車したことがある。
今回は、無性に寝台列車に長時間乗りたくなったのと、マレー半島を鉄道で縦断することを目的に、タイ国鉄南本線の夜行列車45/37列車(SP/特急)のうち45列車(パダン・ブサール行き)に乗車したのでタイのバンコクからマレーシアのパダン・ブサール駅まで乗車した記録とタイ国鉄の切符の購入方法を紹介する。
なお、併結している37列車(スンガイコロク行き)には食堂車もある。

タイ国鉄(SRT)の切符の買い方
切符は、タイ国鉄のチケット予約サイト(D-ticket)で予約することが出来る。
基本的には、日本からもアクセスができ切符の予約ができるが、たまに原因は不明だが、タイ国鉄のWebページを日本から開こうとすると接続がうまく出来ないことがある。
そんなときに、タイからのアクセスとして振る舞えるVPNサービスを利用してみたところスムーズにアクセスできることもあった。
切符の予約には会員登録が必要。
英語表記があり、もしブラウザがWEBページの翻訳に対応しているのであれば、日本語に翻訳することで比較的スムーズに予約することができる。
ただ、駅名などが変な翻訳になることがあるのでそんなときは英語に戻して操作した方が良い。
支払いには、日本のクレジットカード(JQエポスVISA)が利用できた。
切符購入後、領収書と乗車券がメールで送信されてくる。
乗車する際は、送付されてきたpdfファイルのQRコードを改札機にかざすことで乗車できる。
他にも、D-ticketアプリを利用すると乗車用のQRコードを表示させることもできる。
こちらも同じく、改札機にかざすことで利用できる。
切符の予約もアプリから可能だ。
筆者は、パソコンでwebサイトから予約したが、アプリから予約したほうがUI的にわかりやすいかもしれない。
D-ticketアプリ iOS(iPhone)
apps.apple.comD-ticketアプリ android

VPNサービスが必要なことがある【PR】
海外のWebサイトにアクセスする際、アクセス元の国を確認されることがある。
海外旅行によく行く人なら経験があるかもしれないが、日本のWebサイトでも海外からのアクセスは拒否しているサイトが存在している。
海外旅行中に日本からしかアクセスできないWebサイトを訪問したいときや、日本いるときに海外のWebサイトを訪問したいときのニーズに応えられるのがVPNサービスである。
筆者は、いつもNordVPNを利用して対策している。
価格もお手頃でソフトウェアの利便性も高いため重宝している。
頻繁に、海外旅行へ行くなら長期間利用できるプランのほうが割安になるのでこの機会にNordVPNを試してみるのは、いかがだろうか。
タイ国鉄の指定席の切符は180日または60日前から購入できる
2025年にルールが変わり、タイ国鉄の指定席の切符は、特急列車(SP)が最大180日前、その他の列車が60日前から購入できるようになった。
今回筆者が乗車した、45列車は、60日前から予約購入が可能で予約開始直後に購入したので席が選びやすかった。
下段で、購入金額は、918THB(バーツ)だった。
当時のレートの日本円にすると、4,408円だった。
約16時間も寝台列車の乗れてこの金額は、日本の金銭感覚からすると非常に安く感じた。
人気の列車は、すぐに売り切れてしまうこともあるようだ。
タイ国鉄(SRT)チケットの払い戻しや乗変は手数料がかかる
タイ国鉄の切符で気をつけたいことは、日本と違い払い戻しや乗変ではほとんどお金が返ってこないことだ。
そのため、乗車日の間違えなどの買い間違いに注意して慎重に購入をしたい。
変更(日時・列車変更)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更可能期間 | 発車時間の24時間前まで |
| 変更可能回数 | 制限なし(都度手数料が発生) |
| 変更手数料 | ・1日前:チケット代の50% ・2日前:チケット代の30% ・3日前まで:チケット代の20% |
払い戻し(キャンセル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 払い戻し期限 | 発車の3時間前まで |
| 払い戻し手数料 | チケット代の約70%(返金は約30%) |
| 注意点 | 購入方法により返金処理に時間差あり(カード払いは45日以内など) |
※払い戻しは、webでできる場合と現地窓口でしかできない場合もあるようだ。
※タイ国鉄での買い間違い=ほぼ返金不可となっている。日付ミスが起きやすいので注意して切符の購入をしたい。
タイ国鉄(SRT)南本線45列車について

タイ国鉄南本線(サザンライン)45列車は、バンコクのクルンテープ・アピワット中央駅からマレーシアとの国境のパダン・ブサール駅(マレーシア)までを結ぶ列車だ。
途中のハジャイ駅までは、37列車に併結されている。
16:10にバンコクのクルンテープ・アピワット中央駅を出発し、翌日の朝08:05に終点のパダン・ブサール駅(マレーシア)に到着する。
ハジャイ駅で切り離し及び入れ替え、座席車両の増結を行い終点のパダン・ブサール駅(マレーシア)まで向かう。
パダン・ブサール駅は、2つありタイのパダン・ブサール駅とマレーシア国境のパダン・ブサール駅があり、切符の取り間違えや降り間違えに注意したい。
パダン・ブサール(タイ)駅には何もなかった。
また、南本線は2024年にナコーンパトム駅からチュムポーン駅まで約420kmが複線化され以前よりも遅延が減ったようだ。
しかし、筆者が乗車した日もハジャイ到着時刻ですでに、1時間ほど遅延、終点にパダン・ブサールに到着した時間は定時の30分遅れほどで到着した。
マレーシア側の列車へ乗り継ぐ予定の人は、遅延により気が気ではなかったかもしれない。
筆者は、遅延を予測して乗り継ぐ列車を1本遅らせていたので結果的にパダン・ブサール駅で少し暇を持て余した。

車内の様子
車内は、冷房が備え付けられた寝台車両なため非常に快適であった。
各座席にコンセントもあり、電源に困ることもなかった。
今回予約した座席は、外を見たかったのもあり窓のある下段を選択した。
車掌さんが寝台を展開するまでは上段の人も下段に座るため荷物の置き場は注意しよう。
下段と上段で切符の価格は異なり、下段のほうが価格が少し高い。

座席の手すり下にコンセントも完備されていた。




実際に乗車してみて
筆者が、客車寝台列車に乗ったのは、おそらく青森まで2010年に乗ったあけぼのが最後。
その時は、ゴロンとシートに乗ったのでシーツとかはなかったと思う。
今回は、外国である日本から遠く離れたタイで寝台列車に乗れたことが体験として非常に嬉しかったし楽しかった。
ただ、日本と違い、列車の遅延や事故には気をつけたい。
昨年、タイ・カンボジア国境のバーンクローンルック(バンクロンルク)からバンコクまで普通列車での列車旅をしたときも体験したが、車内に飲食物の物売りがやってきて車内で買い食いできるもの列車旅の醍醐味だと強く感じた。
車内に物売りがやってくる
今回乗った45列車では、乗車して少しすると食堂車のスタッフがおそらく夕食のオーダーを取りにやってくる。
今回は、夕食と朝食は持ち込んでいたのでオーダーしなかったがこういったサービスを見ると長距離列車に乗っている実感が湧いてきた。
他にも物売りがやってきて、飲み物や軽食、お菓子などを売りまわっていた。

飲み物については翌朝、缶コーヒーを物売りから購入して飲んだ。

寝心地
寝台の寝心地については、列車の中で横になれるだけでかなり快適に感じた。
冷房が効いていて少し寒かったので羽織れるものは持っておいた方が良い。
過去、日本でも18切符を使ってムーンライトながらなどの座席夜行列車を使って強行な旅をよくやっていたせいなのかかなり快適だった。
筆者は、夜行バスや飛行機、列車の中でも関係なく座ったまま寝れるのでこういった旅のスタイルが得意ではない人には合わないかもしれない。
走行音など雑音が気になるのであれば、ノイズキャンセリングイヤホンを耳栓代わりに利用すると快適だ。

今回乗った、45列車は、終点までトータル約16時間ほど列車の中で過ごした。
車内では、資料用に動画や写真を撮ったり、車窓を眺めたり、写真の整理やBLOG記事構成を考えたりとのんびりと有意義な時間を過ごすことが出来た。
筆者は、こういった列車では、乗車時間が長いほどお得に感じてしまうため16時間でもあっという間にすぎた。
筆者が、乗車した日は、たまたまなのか日本人の乗客が多く日本語が結構聞こえていた。
聞こえてきた会話から察するに鉄道好きの大学生の旅行などの人々が乗車しているようだった。
日本では、貴重な夜行寝台列車に乗りにやってきたのだろうか。
結局列車は遅延した
途中、プラチュワップキーリーカン駅を出発したところで突然、列車が停車しバックし始めた。
特に、放送とかもなく突然バックしていたので理由は不明だった。
まさか勾配が登れなかったのだろうか?
この時点ですでに列車は、20分ほど遅延し始めていた。
その後は、筆者が寝てしまったのもあるが朝起きると、ハジャイ駅にまもなく到着する場所だった。

乗車前には軽食や飲み物の準備を
物売りが様々なものを売りに来てくれるタイの国鉄ではあまり心配いらないかもしれないが、食べたいものや飲みたいものが必ず調達できるとは限らない。
異国の地なので、口に合わないものもあるだろう。
そのため、軽食やお菓子に飲み物はあらかじめ買っておきたい。
ちなみに、日本の鉄道と異なり、タイ国鉄の車内では飲酒は禁止なので注意してほしい。

筆者は、他にクルンテープ・アピワット中央駅のフードコートで夕食も調達しておいた。
改札を通る前の駅構内に売店もあるのでお菓子や水も追加で調達した。

パダン・ブサール駅(マレーシア)での出入国審査
パダン・ブサール駅(マレーシア)のイミグレーションはホーム上にある。
列車毎に行われるようで、下車後並んでイミグレーションへ進んだ。
ちなみにタイとマレーシアには1時間時差があり、マレーシアに入国するとタイに比べ時間が1時間進む。
列車を乗り継ぐ場合は、タイ国鉄は、タイ時間、マレー鉄道はマレーシア時間で表示されているので時差を考慮してチケットを取るようにしたい。
また、乗り継ぐ前に出国審査と入国審査があるため、この時間も考慮したい。
ネットの情報なので信用するかは別の話だが、元々接続するようなダイヤにはなっているので大幅な遅延がない限りは、30分程度は乗り継ぎで待ってくれることもあるようだ。
タイ国鉄が、以前より遅延要素が減ったとはいえ、遅れるときは遅れるので乗り継ぎを確実にするならマレーシアからタイへ乗り継いだほうが安心かもしれない。

今回は、タイからマレーシアへの入国だったため、先にタイの出国審査を済ませ、次にマレーシアへの入国審査を行った。
マレーシアへの入国には、入国前にMDACへの登録が必要だ。
MDACは、入国の3日前から登録できるようになっている。
もし、マレーシアへ行くならMDACへの登録は忘れないようにしたい。
マレーシアでの入国審査では、初めての入国だったこともあり、入国審査後、別の窓口へ行くように案内されどうやらこのときにおそらく自動化ゲートの登録をしてくれたようだった。
本当に自動化ゲートの登録をしていたのかは謎だが、後日、クアラルンプール空港で入国した際に自動化ゲートが利用できた。


タイ国鉄のWebページはこちら
タイ国鉄(SRT)のチケット予約サイトへは基本的に日本からも接続ができるが背景画像が重いのかアクセスできるまでに時間がかかることが多い。


まとめ
今回は、マレー半島を縦断するため、バンコクからタイ・マレーシア国境のパダン・ブサール駅(マレーシア)までタイ国鉄の寝台列車である45列車に乗車した。
寝台列車での移動は、ゆったりと時間が流れとても楽しかった。
パダン・ブサール駅では、このあと、マレー鉄道(KTM)の11:05発の電車に乗り、クアラルンプールへ向かった。
鉄道旅が好きであれば、タイとマレーシアはとてもおすすめな旅行先である。
もし、夜行の客車寝台列車に乗りたくなったのであれば次の旅行先としてタイを検討してみてはいかがだだろうか。

